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2007/03/11 シュールレアリスム台所

ピンク&黒のかっこいいスポンジを見つけた。
カラーリングのセンスも抜群だが、商品名もかっこいい。
『たわしの革命児 キクロン』。
しかしその頼もしい熱血キャッチコピーと相反するかのように、
パッケージイラストはダークな妖艶さを醸し出している。

推定年齢50歳、一癖ありそうな三白眼のマダムが
キクロンを手にしているイラスト。
その画中のキクロンのパッケージは、現物と同じ絵。
マダムの持っているキクロンには、同一のマダムが描かれているわけだ。
BANYAIの『ZOOM』を彷彿とさせる無限ループの世界である。

なおかつ、背景に描かれたキッチンの不可思議なパースペクティブによってか、
見る者を言いしれぬ不安に陥れる不穏な空気が漂い、
レトロとかキッチュとかいう言葉ではもはや表現しきれない
シュールレアリスム的な時空のねじれすら感じさせる。

さらに、マダムが着用している赤い服の柄が
キクロンマーク(菊)であるという事実にお気づきだろうか。
マダムの髪型や耳の造形における独創的な表現、
あたかも宙に浮いているかのようなネックレス等、
暗喩的ですらあるディティールも随所に見受けられ
最早この絵自体が、解けない謎であると言っても過言ではないだろう。

これほどまでに、見る者を絵の中に引き込むパッケージイラストというのも
まれと言えるのではなかろうか。
単に私が現実逃避してるだけかもしれん。仕事はちゃんとやっています。

と、ここまで書いたところでキクロン株式会社のHPを見てみた。
なんとこのマダムは『異国婦人』という愛称で長年親しまれている模様。
知らなかったのは私だけか。
しかも推定年齢40歳と書いてある…

(※2014.1追記
2007年にはあったはずの推定年齢に関する記述は、2014年時点では無くなってました)


2006/11/01 見仏

東京国立博物館の平成館で開催中の『仏像』展を見に行った。

白州正子もお気に入りだったという美仏、
滋賀・向源寺の『十一面観音菩薩像』の展示は11/7からだということが
会場についてから分かって
ちょっとショックだったので、かわりにポストカードを購入。
手が長くてスラっとスマートでカッコいい。

フライヤー作ったお方は、ただならぬセンスの持ち主とお見受け…
最下部にちょろちょろと木喰(もくじき)の
『十二神将立像』たちがいる点に激ウケ。
コピーもいい。『一木オールスター。百四十余躯 東京に集結!』
信心深いオールドファンから、私のようなミーハー見仏者にまで
幅広くアピールする名フライヤーだと思う。

仏像展

肝心の展示の話。
前半は平安時代の優美で気高い凛とした菩薩像がメイン。
一本の木から彫り出したというのには驚きだ。
とくに、衣紋(えもん)と呼ばれる衣のドレープの表現は
神業レベルの真剣勝負っぷりが伺え、感動を呼ぶ。

あえてワイルドにノミの彫り跡を残して模様のようにする、
『鉈彫』特集コーナーもあった。
なかでも、トータルリコールのように顔の中から顔が出てくる
宝誌和尚立像』に吃驚。和尚カッコいい!

最後は江戸時代の円空&木喰による作品。
鬼の像も、ツノがネコ耳にしか見えないカワイイ系である。
人形アニメになって動いたら、よりカワイイと思う。

全体を見た感じ、ギリシャの彫像やアフリカの民芸やトーテムポール等を
彷彿とさせるものも多くあり、不思議な感じがした。
人間の考える、神聖な存在の姿は
人種や地域に関係なく何か共通したイメージがあるのかもしれない。
ユングのいうところの集合的無意識ってやつだろうかと思った。
ユングは、世界各地の伝承がかなりの共通点を持つところからも、
集合的無意識という概念のヒントを得たらしい。
(なんか間違ってたらハリセンとともに教えてください)

見仏後、はじめて本館の方にも入ってハニワや土偶を鑑賞。
本館の建物が古くて重厚ですごくカッコいい。特に一階の階段。
広すぎて全部見れなかったのが心残り。


2006/09/12 謎の土産

今まで食べたことがないけど最近気になるお菓子…それは、
東京土産としてどうやら人気らしい、『東京ばな奈』である。
なにしろ、サブタイトル(?)が『見ぃつけたっ』である。
何を見つけたのか?バナナをかっ?!
そもそも、東京土産で何故バナナ?
そしてどうして『奈』なのか。
ミステリアスな土産だ。

家が横浜、職場が東京だったので
東京土産など頂いたり差し上げたりする機会がなかった。
よって私にとって東京ばな奈は、そのネーミングと相まって、
神秘のベールに包まれた謎めいた存在である。

誰か東京土産くれないかな〜。などと思っていたけど
そんな虫のイイ機会は無さそげなので自分で買ってみようと、
先日若冲に会いに丸の内に寄った際に、東京駅の売店を見てみた。
しかしバウムクーヘンになったばな奈しか見つけることができず。
初心者としては、スタンダードばな奈から入りたいわけよ!と
がっくりと肩を落とし、その日はひとまず敗退。

サイトを探して見てみたら、バウムクーヘンだけでなく
パイやらモナカやらシュークリームやらチョコレートやら和菓子にまで
七変化している模様。
今後どこまで進化を遂げるのか、見守っていきたい所存である。


2006/08/05 いきなりアフリカブーム

気になりつつも今まで挑戦しないでいたけれど、
とうとうこの夏、カンガを購入。
カンガとは、東アフリカで日常のいろいろな用途に使われている
大判の美しい木綿布のことである。
切ったり縫ったりせず、1枚もしくは2枚を巻くだけという
シンプルさでありながら、
巻き方次第でワンピースやブラトップやターバンやスカート、水着にまで
バリエーション豊かに変身する。
身にまとうだけでなく、
タペストリーやシーツやバスタオルにもなる、実に懐の深い奴だ。

色も柄も、アフリカらしく大胆で激しい感じで、
どっからどう見ても日本人100%(しかも旧式。胴長短足平面顔)の自分には
似合いそうもない…
というのが今まで挑戦しなかった理由だけど、
家で着るだけから、そこらへんは見逃して下さい…

入門書として『カンガ・マジック101』という本を購入。
101通りのカンガの使い方が
70年代風の味のあるイラストで解説されていて面白い。
ギリシャ風や古代ローマ風の巻き方をやってみたい。
なんと、『ゆかたスタイル』の巻き方まで載っている。

さらに、カンガにはスワヒリ語で
ことわざや格言や花言葉のような文章、"カンガ・セイイング"が
ひとこと書かれている。
『苦あれば楽あり』などとノーマルなものから、
『じゃましないで』とか『私って人に好かれる性格なんです』とか
ナゾな文章が入ってるものもあって、面白すぎる。

マイ・ファースト・カンガに書かれているセイイングは
『愛あるところに神宿る』。
ひとまず、比較的無難な文章のものを選んでみた。
最初は、別の紫色のカンガを買おうかと思ったんだけど、
セイイングの内容がどうも好きになれないので、やめてしまった。
色柄とメッセージ、両方が気に入らないと身にまとう気にならない。
その点ではなんかTシャツに似ている。
でもTシャツは浴衣に変身したりしないしなあ。
なおかつ浴衣よりずーーと安く買えるしなあ。カンガ素晴らしい…

カンガ


2006/07/12 若冲特集日

東京国立博物館で開催中の『若冲と江戸絵画展』へ。
私の一番のお目当ては、『鳥獣花木図屏風』。
若冲作品か否か実際のところは不明で、意見が分かれるところらしい。
間近で見てみると、動物たちの目や細部がワイルドな感じで
『動植綵絵』などに見られる異常なまでの繊細さとは
かなり違った印象を受ける。
しかしもう誰が描いたのかなんて関係ないかも、ってくらいの
もんのすごいインパクトである。
言葉にできない何か、妖気のようなものが、炸裂している。
不老不死の生命を持っているかのようだ。
その晩、この屏風の夢を見た…。うなされてたかも(笑)

調光による演出を行なっている展示室が最後にあった。
自然光のような、強さや角度の移り変わるライトを
屏風に当てて展示している、画期的な試み。
傷まないか心配になりながらも、
光によって金箔の表情が変化すること
(酒井抱一の佐野渡図屏風に雪が描いてあることに気づいたり)に驚いた。

そのあと、皇居東御苑の三の丸尚蔵館へ行って
『動植綵絵』の第四期展示。
6幅中、3幅が鶏作品で、若冲の面目躍如といった感。
鳳凰を描いた作品も2幅あり、
毒気イマジネーションの世界を堪能。
来月の5期展示が最終だなんてさびしいなあ。

9月から上野の森美術館で始まる『ダリ回顧展』の
フライヤーを持って帰って開いてみたら、
キャッチコピーが『私はダリでしょう?』。

ダリ


2006/04/15 日帰り島旅

大島へ。
竹芝から柳原良平さんがカラーデザインした船に乗って100分。
通常は元町港に着くけど、この日は天候のせいで岡田港に停まった。
元町港スタートのプランしか考えてなかったので慌てた。
三原山の展望台に行って温泉に寄るつもりだったけど
曇天なので展望できないだろう…と、バスで大島公園に行ってみることに。
椿祭りが終わったあとのオフシーズン。人がいない。ほとんど貸し切り状態。
公園では鹿のような動物(たぶんキョン)を数頭見かけた。

公園内には椿園がある。
旬は過ぎたが、名残程度に咲いていた。
最盛期にはさぞ美しかろう。


一番好きなのは、この『乙女椿』。

元町港行きのバスの時間までかなりあるので
先のバス停まで海岸遊歩道を歩くことにする。
遊歩道という名称でいいのだろうか、と思わせる
ワイルド&アスレチックな道で、
予想よりずっと時間がかかる。バスに間に合わなくなりそうで
焦って断崖脇の道を進む私の眼下に、荒涼とした風景が…。
写真だとなんだか寒そうだけど、実際は半袖Tシャツで十分だった。

なんとかバスには間に合った。汗だく&クモの糸つきである。
途中下車して日帰り温泉に入れるホテルに寄ろうかと思ったが、
とにかくハラヘリだ。
フロかメシか…両方とれる時間の余裕はない。貝の博物館にも行きたかったし。
メシを優先させるため、元町港へ。
『おともだち』という名のご飯屋さん(ネーミングセンスにしびれた)で
ベッコウ寿司を食べたかったのだ。

しかしオフシーズンの観光地には注意が必要だという教訓を学ぶはめになる。
元町港でバスを降りると、お目当ての『おともだち』をはじめ
食事処が見事なまでに軒並み閉まっている。
行きの船中でお菓子を食べたきりだった私は空腹クライマックス。
歩き回ってなんとか開いてるお店を発見し、卒倒は免れたものの
貝の博物館に行く時間と気力を喪失。
帰りの船の時間までの中途半端な数十分、
人より猫の方が多い港でうらぶれ気分を満喫することになった。
次の機会があったら、日帰りはよしておこうと思った…
そして、いろんな事態を想定した上で計画立てるべきだったと思った…



2006/02/19 点一つの違いで

テレビ番組表で深夜の映画をチェック。
『大いなる遺産』が放映されるらしい。ディケンズか。見よう。と思ったが、
よくみると『いなる遺産』と書かれている…
こんなミスタイプって、有り?!と思ったけど、
やっぱり『(けん)いなる遺産』で間違いなかった………
でも、犬好きなので見てみた。

原題は『THE DUKE』だそうだ。
『大いなる遺産』の原題『Great Expectations』との関連性は
特に…いや全くみられない。

あらすじ:村人に慕われていた公爵が亡くなった。
遺言により、爵位はなんと愛犬ヒューバートに継がれることに。
遺産を狙う強欲な甥夫婦の悪だくみで
てんやわんや(死語)のハチャメチャ(死語)大騒動が繰り広げられる。

多くは語りません…。
舞台となる町並みと、出演犬はかわいいです。


2006/01/31 SALON DU CHOCOLAT

先週は、新宿伊勢丹で開催されてたチョコ祭り『サロン・ド・ショコラ』の
初日に突撃してきた。
まずジャン=ポール・エヴァンのカウンターに入って、
ショコラショー&ケーキ3個&ボンボンショコラ1個のセット。

今日はもうカロリーのことは考えない…(いつも考えてない気がするけど)
ショコラバーでは、ボンボンショコラ6個とコーヒー、それとカカオビール。
ファブリス・ジロットの、カシスのチョコが一番気に入った。
カカオビールは…『チョコレートフレーバーのこのビールは
カカオ、大麦、ホップをブレンド。』と説明書きにあったけど、
個人的印象としては「スプラウトの味がする。」

購入したのは、伊勢丹のサイトで見て
箱の可愛さに気になってたアルトマン&キューネ。

中身も可愛い。

一粒の大きさは、一円玉より小さいくらいかな…
『リリプット』という商品名はぴったりである。
すごく仕事が細かくて、一粒一粒に気合いを感じる。
まさに食べられる宝石箱といった風情。

デル・レイの、ダイアモンドをかたどったプラリネにも心惹かれた。
ドゥボーブ・エ・ガレに大層美しい箱のチョコレートが鎮座していた、
しかしお値段2万円くらいだったので買えず……
出展してる全ブランドから買うわ〜。と
言える日が来ることを祈るしか今はできない。


2005/05/22 世界遺産の旅・日光編

日光に行ってきました。
小学校の修学旅行で行ったはずなのですが、
記憶に残っているのは三猿と眠り猫だけ、というありさま。
今回のお目当ては2つ。

☆その1:世界遺産に登録された"神橋"を渡る!
修復工事を終え、先月から一年限定で公開中とのことで渡ってきました。
日本三大奇橋の一つとのこと。
橋中央が、駐車場のような白いチェーンで仕切られていたところが
ちょっと色気がない感じでザンネン…ですが
下を流れる大谷川の水が澄んだブルーグリーンで美しく、
橋の朱色が映えていたのが印象的。


☆その2:襖絵天国だと噂の"東照宮美術館"に行く!
ここは本当に最高です。住みたい…
建物は東照宮の旧社務所なのですが、中の襖や杉戸には
横山大観、中村岳陵、堅山南風、荒井寛方の絵が描かれているのです。
公開されているのは46点ですが、総点数は150点以上に及ぶそうな。
ゴージャスすぎ。
岳陵の「月斗」という月夜空を描いた作品には、
金色の星が三つ、まさに☆の形で描かれていて、
静寂で美しいながらも、なんかかわいい。
岳陵、南風、寛方の三画伯は2ヶ月合宿して制作にあたったそうです。
なんか楽しそう…。←んなわけないですね。パンフの解説にはこうあります。
「心血を注いだ一大傑作を揮毫するため精進斎戒し、
一切の面会を絶って揮毫に専念…」

 

輪王寺の宝物殿で、人間業とは思えないクレイジーなまでに超精密な曼陀羅を
貸し切り状態で見れたのも良かったです。
また、二荒山神社の神苑では"お菓子の神様"に出会ってしまいました。
手にはミカンの枝を持っている大国田道間守です。
パティシエの人もお参りにくるのかなあ…

そして日光おしゃれグランプリは
家光公のお墓を守っている毘陀羅(びだら)さんに決定です!
↓こんなワンピほしい…

食事は当然湯葉!金谷ホテル製の地ビールもおいしかった。
今度くるときは金谷ホテルに泊まりたいなぁ…。
仕上げは"明治の館"で評判高いチーズケーキ、その名もニルバーナ!
涅槃という名のそのケーキ、噂に違わず美味!
次食べれるのはいつなんだろう…。また来たい日光。


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