東京国立博物館の平成館で開催中の『仏像』展を見に行った。
白州正子もお気に入りだったという美仏、
滋賀・向源寺の『十一面観音菩薩像』の展示は11/7からだということが
会場についてから分かって
ちょっとショックだったので、かわりにポストカードを購入。
手が長くてスラっとスマートでカッコいい。
フライヤー作ったお方は、ただならぬセンスの持ち主とお見受け…
最下部にちょろちょろと木喰(もくじき)の
『十二神将立像』たちがいる点に激ウケ。
コピーもいい。『一木オールスター。百四十余躯 東京に集結!』
信心深いオールドファンから、私のようなミーハー見仏者にまで
幅広くアピールする名フライヤーだと思う。
肝心の展示の話。
前半は平安時代の優美で気高い凛とした菩薩像がメイン。
一本の木から彫り出したというのには驚きだ。
とくに、衣紋(えもん)と呼ばれる衣のドレープの表現は
神業レベルの真剣勝負っぷりが伺え、感動を呼ぶ。
あえてワイルドにノミの彫り跡を残して模様のようにする、
『鉈彫』特集コーナーもあった。
なかでも、トータルリコールのように顔の中から顔が出てくる
『宝誌和尚立像』に吃驚。和尚カッコいい!
最後は江戸時代の円空&木喰による作品。
鬼の像も、ツノがネコ耳にしか見えないカワイイ系である。
人形アニメになって動いたら、よりカワイイと思う。
全体を見た感じ、ギリシャの彫像やアフリカの民芸やトーテムポール等を
彷彿とさせるものも多くあり、不思議な感じがした。
人間の考える、神聖な存在の姿は
人種や地域に関係なく何か共通したイメージがあるのかもしれない。
ユングのいうところの集合的無意識ってやつだろうかと思った。
ユングは、世界各地の伝承がかなりの共通点を持つところからも、
集合的無意識という概念のヒントを得たらしい。
(なんか間違ってたらハリセンとともに教えてください)
見仏後、はじめて本館の方にも入ってハニワや土偶を鑑賞。
本館の建物が古くて重厚ですごくカッコいい。特に一階の階段。
広すぎて全部見れなかったのが心残り。 |